SNSの流行もあり、個人でも本格的なカメラを持って撮影する方が増えてきています。
中には、好きな写真を仕事にしたい、フリーランスのフォトグラファーとして働いてみたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、プロフォトグラファーになるために揃えるべき機材、必要なスキルなどをご紹介していきます!
プロフォトグラファーの定義
まずは基本的なことですが、「プロって何」という定義からおさらいしておきましょう。
アマチュアフォトグラファーとプロフォトグラファーの決定的な違いは、「お仕事として依頼され、依頼内容に応じて金銭が発生しているか」になるでしょう。
そのため、SNSで個人的に活動していた方がSNS経由で仕事の撮影を依頼されるようになり、プロとしてデビューするという形も増えてきています。
プロフォトグラファーの仕事内容
フォトグラファーと一言に言っても、撮影内容や付随する業務は多岐に渡り、活躍する業界によっても異なってきます。
ここでは一例としてどのような仕事があるかをご紹介していきましょう。
正社員として働くスタジオカメラマン
- 撮影業務
- 撮影アシスタント業務
- 写真の販売業務 など
スタジオカメラマンとは、人物や商品などの撮影を専用スタジオで撮影するカメラマンのこと。
未経験の場合は人物の記念撮影(七五三や成人式など)のスタジオで働くことが多く、キャリアを積めばブライダルや商品などの、よりライティング技術が必要な撮影に挑戦することもできます。
また、記念撮影のスタジオでは写真をデータではなく印刷物として販売することが多いため、写真のプリントサイズやアルバムのサンプルを見せながら、お客様に販売するお仕事も含まれてきます。
フリーランスとして働くフォトグラファー
- 撮影業務
- 写真編集・納品
- スケジュール調整や撮影内容などのディレクション業務 など
フリーランスフォトグラファーの場合、撮影内容や自身の希望やスキルに応じて変わってくるため、ロケで子どもやカップルの記念撮影を撮る仕事や学校行事を撮る仕事、飲食店のメニュー用に料理を撮る仕事など、様々な仕事を選ぶことができます。
基本的には1人で活動することが多いため、撮影した写真の編集や納品、スケジュール調整などのディレクション、引いては仕事を生み出すための日々の営業活動も必要にはなるでしょう。
プロフォトグラファーになるための準備
正社員でのスタジオ勤務の場合、スタジオの機材が常設されていることもありますが、基本的には自前の機材を持っておくことをオススメします。
自前の機材があれば安定したクオリティで写真撮影ができるため、プロとして求められる均一で高品質な撮影データを提供できるからです。
こちらでは、プロフォトグラファーが常用している機材を簡単にご紹介します。
カメラ
- メインカメラ(フルサイズセンサー)
- サブカメラ(フルサイズセンサー or APS-Cセンサー)
カメラは2台用意することをオススメします。カメラは精密機械のため、何かしらのトラブルで突然動かなくなる恐れがあるためです。
メインカメラを高画素機のフルサイズセンサーを搭載したカメラ、サブカメラは必要なレンズに合わせてフルサイズかAPS-Cかを選びましょう。
また、できる限り同じメーカーのカメラを選ぶことも重要です。カメラはメーカーやモデルによって写真の色味が異なるため、2台のカメラで撮影していると同じ場面で撮影しても仕上がりが異なり、レタッチ作業で余計な手間が増えてしまいます。
同じメーカー、同じモデルのカメラであれば仕上がりが均一となるため、後工程を楽にすることができます。
レンズ
- 標準ズームレンズ
- 単焦点レンズ
ズームレンズとは、一本で広い画角(写真に写る範囲)を撮影できるレンズです。広角から望遠までをカバーできるので、レンズ交換ができない判断力が求められる現場で重宝します。
単焦点レンズとは、画角が一定な代わりに高解像度で明るく、背景もボカしやすいレンズのこと。画角毎にレンズを揃えなければいけないため、コスト面や機動力の面では負担がかかりますが、それを補って余りある写りをするためこちらも持っていることをオススメします。
ライティング機材
- クリップオンストロボ、もしくはビデオライト(定常光)
人間の目は優秀で、光の入らない屋内でも明るく見えますが、実はカメラで見ると屋内は日中でも暗く、カメラ側で明るく撮影しようとすると解像度が荒くなってしまいます。
また、自然光(太陽光)は天候にも左右されるため、場合によっては均一なクオリティの写真データを生み出すことができません。
ライティング機材を揃えておくことで、環境や天候に左右されずに高品質なデータを生み出すことができるため、プロとしての仕事をする場合は必ず用意しておきましょう。
パソコン
- ノートパソコン
自宅や事務所で編集作業をする場合はノートパソコンである必要はありませんが、例えば広告や雑誌などの企業案件でスタジオ撮影に企業の担当者も同席される場合、現場で撮影データを一緒に確認するためにテザー撮影をすることがあります。
テザー撮影とは、カメラをパソコンなどのデバイスに繋ぎ、撮影データを瞬時に大型画面で確認する撮影手法です。
仕事内容によって必須という訳ではありませんが、クリエイター同士で作業や打ち合わせをする際にもパソコンがあった方が便利なので、必要なスペックに応じたノートパソコンを用意しておくことをオススメします。
プロフォトグラファーに必要なスキル
プロとしてクライアントに上質なデータを納品するためには、撮影に付随したいくつかのスキルが必要です。プロになった時に困らないよう、以下のスキルについても勉強しておきましょう。
ライティング
上述した通り、ライティング機材、技術は身につけておきましょう。人物撮影であれば集合写真の際に後列の方まで光が回らなかったり、物撮りでも影をできるだけ無くしたいという要望があることから、多灯ライティングができれば安心です。
Photoshopでの編集スキル
どれだけ準備を重ねても、背景に人が写り込んでしまったり、物を撮っても傷が入ってしまったりと、撮影のお仕事には何かとトラブルが付き物。
そこでPhotoshopのツールを使えば、背景の写り込みや物についた傷、レンズ内に入ったゴミなども塗り替えることができます!
ディレクション
顧客折衝や納期管理などのスケジュール調整を始め、案件にもよりますがヘアメイクやスタイリスト、モデルのアサインもフォトグラファーに委ねられることがあるため、ディレクション能力があれば重宝されます。
フォトグラファーのキャリアについて
プロのフォトグラファーになりたい方の多くに「フォトグラファーのまま食べていけることはできるのか」というお悩みをお持ちの方は多くいらっしゃいます、収入は人それぞれですが、こちらではフォトグラファーが歩めるキャリアの一例をご紹介しましょう。
アートディレクター
前述の通り、企業からの要望に対して撮影内容の提案やスタッフのアサインができるとアートディレクション的な役割を任されることがあります。
この場合、自ら撮影せずとも信頼できるフォトグラファーに撮影を任せることができるため、複数の案件を同時進行することも可能です。
撮影講師やスタジオ運営
培ってきた技術や実績を糧に、撮影を教える講師やスタジオ運営など「フォトグラファーを相手にする仕事」を始める方もいます。
この場合、フォトグラファーや他のお仕事と兼任して講師業・運営業をされている方も多く、特に講師業は収入の幅を単発で増やすこともできます。
トップフォトグラファー
記念撮影スタジオや出張撮影サービスなどであればサービスの中でランクが定められていることもあるので、上位ランクのフォトグラファーになれば収入を高めることができます。
また、広告や雑誌などの企業案件でも専属のフォトグラファーになれば、継続的にお仕事をいただくことが可能です。
まとめ
今回は、プロフォトグラファーになるための準備や将来のキャリアについてご紹介しました。
プロになるためにスタジオで修行を積んだり、持ち前の技術でフリーランスになる方など、はじめの一歩は人それぞれです。
しかし、こちらでご紹介したスキルはどの撮影業務でも必要になってきます。こちらの記事を参考に、プロとしてのキャリアを歩んでみてください!