認知拡大や購買促進にはTwitterを通じたマーケティングを行ったほうがいいのはみなさん何となく分かっていると思います。
ではどのようにして成果を出すのか。ただ闇雲に運用しても成果が出ず苦労してしまうので、Twitterで何を成し遂げたいのか目標を設定することが大切です。
ここでは、「KGI」と「KPI」と呼ばれる、ビジネスの目標達成・管理によく使われる言葉を用いてTwitterの運用目標設定の仕方を解説していきます。
KGI、KPIの意味
KGIとは
KGIは「Key Goal Indicator」の略で、日本語では「重要目標達成指標」といいます。少し噛み砕くと、「最終ゴール」や「どうあっていたいか」というように訳せます。
組織や個人が向かう方向を設定するときに、KGIを設定します。KGIを設定することで、目標を達成するために何を行うべきなのかという課題が見えてきます。また、KGIなしにKPIを設定することもできません。
KGIの例として、以下のようなゴールが挙げられます。
- 2024年に売上高10億円達成
- 5か月後にTwitterのフォロワーを10,000人にする
- 来年の7月までに今の体重から15kg痩せる
よくある「来年の夏までに痩せる!」はKGI(指標)として成り立っていません。数字で具体的に表され、計測可能になっていることでKGIとして成立します。
KPIとは
KPIは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」といいます。KPIを噛み砕くなら「ゴール(KGI)を達成するための中間指標」という感じでしょうか。
例えば、KGIで「3か月後までに10kg痩せる」と設定しているとしましょう。
その時KPIは以下のようになります。
- 毎日10kmランニングを行う
- 1日2食にする
- 18時以降は食べ物を口にしない
このときKGI(ゴール)に対してKPI(指標)は1つではないことが多いです。
複数のKPIが設定され、それらをクリアしていくことでKGIを達成するというイメージです。
KGIとKPIの設定方法・コツ
まず設定の順番として、KGI→KPIの順に組み立てていきましょう。目的やゴールに対して何をしなければいけないかを決めるというイメージです。
KGIやKPIを設定するときのコツとして、以下の5つの視点を意識して設定します。
- 客観的で様々な意味に解釈できないようになっているか(明確性・具体性)
- 定量的で計測可能になっているか(計測性)
- 努力をして実現できるか(現実性)
- 目標や指標と関係があるか(関連性)
- いつまでにという期限があるか(期限)
これら5つを意識してKGI・KPIを決めることで、共有した時に理解しやすいゴールになり、ゴールへの道筋も明確になってきます。
Twitter運用のKGIとKPIの設定方法
Twitter運用を行う時のKGIとKPIについて、以下のような流れで組み立てていきます。
①運用目的を定める
なぜTwitterを運用する必要があるのかというところから決めていきましょう。
例えば、A社には「自社製品の月間の販売数を更に100件増やしたい」という目標があるとします。
A社にはすでに自社商品の良さを伝える専用のメディアがあり、そこに訪れるユーザーは100人に1人の割合で購入に至るというデータもあります。しかし、そのメディアはSEOができておらず、「検索からの流入が非常に少ない」という問題がありました。
そこで、A社は「自社メディアに訪れるユーザーをSEO以外(Twitter)からも増やせれば購入数が増える」という仮説を立てました。
というように、Twitterを運用する理由を見つけることが大切です。(上記例ではSEOへの注力や、どのSNSが最適かという比較検討を飛ばしていますが)
運用する目的・理由がないまま運用を行うと、ただTwitterを更新しているだけの状態に陥りがちなので注意しましょう。
②KGIを設定する
KGIは基本ビジネス全体の最終到達地点として設定しますが、ここではTwitter運用のゴールをKGIとして設定します。
以下はTwitter運用のKGIの例です。(カッコ内は目的)
- 1年後にTwitterからの売り上げ月間50件(売り上げ拡大)
- 2年後にフォロワー10,000人(ブランドのファン化)
KGIを設定するときは目的から逆算して設定を行うようにしましょう。
③KGI達成にむけたKPIを設定する
KGI(ゴール)が決まれば、ゴールを達成するためのKPI(指標)を決定していきます。
KGIにもとづいたKPIの設定は以下例のようになります。
KGI:1年後にTwitterからの販売数月間100件
KPI①:1年後までにTwitterから自社オウンドメディアへのリンククリック数を10,000/月
KPI②:1年後までにTwitterからECサイトへのリンククリック数を5,000/月
KPIを設定したら、各KPIを達成するための施策を立てていきます。
例えば、上述のKPI①に対しては、以下のような施策が立てられます。
- 毎日オウンドメディアの記事を紹介するツイートを1日2回以上投稿する
- 毎週インフルエンサーに記事をリツイートしてもらう
このようにKPIを設定し、施策に落とし込むところまで行うことで、明確にやらなければいけないことが見えてきます。
また、KPIを達成するための施策は一度立てたら終わりではありません。見通しが外れることはよくあるため、常に改善を施していく必要があります。その改善のサイクルを繰り返していくことでKPI達成により早く近づくことが可能です。
効果測定に使える
KPIを適切に設定することで、施策ごとにTwitterマーケティングが売り上げやブランディングにどれだけ寄与しているかを測定できます。
目的が売り上げ数増加の場合:リンクのクリック数など
目的がブランディングの場合:フォロワーの増加数など
この時に注意したいのが、いいね・RT数などを効果の指標としてしまうことです。
いいねやRTの数がKPI・KGIに紐づいていれば問題ありません。KPIやKGIの達成に寄与しないにもかかわらず、いいねやRTを集めるだけの運用に陥ることはよくあります。運用レポートなどを参考にしながら、目標達成に近づく運用を目指しましょう。
Twitterの分析・効果測定の方法について徹底解説
まとめ:KGI・KPIを設定した健全な運用を心がける
計画性のないTwitter運用を行っていると、つい手段ファーストな運用になってしまうことがあります。
それでも成功してしまうケースが稀にありますが、再現性が低く、いつ成功するかの見通しが立てられないといったマイナス面が大きいです。確実に前に進むためには、目的に沿ったKGI・効果測定ができるようなKPIを設定したTwitter運用が欠かせません。